Chie Matsumoto

Chie Matsumoto

Chie Matsumoto is a Japan-based journalist. She worked as a Tokyo correspondent at German Press Agency, dpa, and a reporter for the International Herald Tribune/The Asahi Shimbun.
議員と話し、地道に夫婦別姓を訴える

議員と話し、地道に夫婦別姓を訴える

選択的夫婦別姓・全国陳情アクション 上田めぐみさん 私が中学生だった1990年代前半には、民法改正要綱を答申するための法制審議会が開かれていました。メディアでも、選択的夫婦別姓(※Unfiltered 注)のことが報道されていたので、気になっていました。 「なぜ女性ばかり姓を変えるのか」ということに疑問を抱いていたのですが、そのことに関して話をできる人が周りにいませんでした。 もやもやした気持ちのまま高校に進学したところ、家庭科の先生が授業でこの話を取り上げてくれました。 当時、家庭科は女子だけが受ける授業。結婚しても改姓したくない同級生が他にもいたので、自分だけではないこと、自分の考えは間違っていない、という確信が持てました。 選択的夫婦別姓の問題をもっと学びたいと思ったので、メディアで広く発言していた立命館大学の二宮周平先生のゼミを迷わず選択。家族法やジェンダー論を学びましたが、学びを深めるためにイギリスの大学院へ進みました。 海外で勉強や仕事をする中で、日本が世界的にかなりジェンダー不平等な社会ではないかとは思っていましたが、選択的夫婦別姓制度については「そのうち変わ
Chie Matsumoto
社会とつながり直す 自分を取り戻す

社会とつながり直す 自分を取り戻す

快晴だがビル風が強く叩きつけた2021年3月14日、幸子さん(30代、仮名)は都内新宿区の大久保公園で実施された「女性による女性のための相談会」に現れた。 新型コロナ感染が拡大する中で、短期契約の仕事も見つからなくなり家賃を2カ月滞納しているという。住宅確保給付金はとりあえず申請したが、所持金は3千円と小銭だけ。話を聞くと、こんな事情があった-。 幸子さんは、中学生の時から細胞に関する研究書などを読み漁り、高校では成績も良く、生物学者を目指して猛勉強した。世界の偉人伝シリーズで魅せられたのは「ファーブル昆虫記」や「シートン動物記」。生物の起源が神秘的だった。 富や名声には全く関心を持たなかったが、知識や情報には貪欲だったという。これには訳がある。幸子さんにとって、本の世界だけが唯一、家にいても安らげる場所だったからだ。 両親からの虐待 幸子さんは親から毎日のように虐待を受けていた。母親からはずっと嫌われていたような気がする。父親は彼女の機嫌をとるために幸子さんを殴るような人だった。腐りかけのご飯を出されたり、食事にゴキブリが乗っていたこともあった。完食するまで半ば軟禁状態で父
Chie Matsumoto
「路上から安定就労へ~女性相談会で私は変わった」

「路上から安定就労へ~女性相談会で私は変わった」

いまも続くコロナ禍はとりわけ女性に厳しい試練をもたらした。一方で、「女性による女性のための」支え合い活動が各地で立ち上っている。そうした危機的状況の中での新たな「出会い」がある女性の暮らしを大きく変えるきっかけにもなっている。 (メグさんの場合・前記事はこちら) 「この数カ月で1年分くらいの『ありがとう』を言っていますよ」 昨年、メグさんは、背筋をのばして少し照れ臭そうに話しはじめた。 関西出身のメグさんは20代でファストフード店の正社員職を見つけ、結婚を前提に交際していた男性もいた。しかし、二人の新居に母親が「同居したい」と言い出したことをきっかけに破談。家を飛び出して水商売に浸かり、デリヘル嬢として生計を立てていた。 病気をしたことで鬱状態になっていたメグさんは、気分を変えるために友人から3万円を借りて上京。遊びで遣ってしまった旅費を取り返したら関西に戻るつもりで、歌舞伎町の路上に立った。東京に来たのは7年ぶり。新規参入の若手が増え、一回の料金が3分の1に激減した。50代になっていたメグさんはさらに収入が減り、関西に戻るこ
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