暑さが増す夏と気候変動 日本の都市に緑を取り戻す取り組み
「Cool Kyoto」は市民への啓発活動を行うとともに、地域社会における政治的な機運を高め、緑化率を上げ、コンクリートの過剰使用を抑制し、空き地や未活用の土地における生態系の回復を目指している。
昨年、日本では平均気温が例年より2.36度上回り、2024年に記録した過去最高の暑さを更新した。これはまさに、科学者たちが20年以上にわたり警鐘を鳴らし続けてきたことだ。気候変動によって特に夏場は、熱波が多発するのだ。
都市部に住む住民の多くにとっては、問題はより深刻だ。毎年夏には、救急搬送件数が急増し、熱中症による全国月平均の入院者数は3万7,000人以上に上る。熱波による死者数は、地震や津波、洪水などの自然災害による死者数を合わせた数よりも多いほどだ。日本は災害による被害を軽減するためのインフラに多額の資金を投入しているが、猛暑によって急速に高まるリスクへの対応は追いついていない。
気候変動の主な原因である温室効果ガスの排出を削減するためにはやるべきことは多い。しかしその取り組みが猛暑を緩和するようになるまでには、数年、あるいは数十年かかる。その間、都市部をより住みやすい環境にしていかなければならない。
日本ではそうした取り組みはほとんど行われておらず、時代遅れの政策や慣行によって事態がさらに悪化しているのが現状だ。自治体の政策は、樹木の伐採や水辺へのコンクリート舗装の拡大を優先していることから、夏の暑さは増す一方だ。
より深刻な課題に直面している都市の一つが京都だ。京都では昨年、猛暑が55日続き、過去最高を記録した。山々に囲まれた盆地であるため、大阪や神戸といった関西地方の他都市と比べても気温が高いことで古くから知られているが、気候変動によりその状況は一向に改善されない。
京都に滞在したことのある人なら誰でも、この街が周囲の山々よりも著しく暑いことに気づくだろう。これは「ヒートアイランド現象」と呼ばれるもので、土や樹木が少なく、コンクリートや道路、建物が多いため、気温が最大5度も上昇する。何かしらの対策を講じなければ、状況は悪化する一方だ。
マサチューセッツ工科大学(MIT)の気候ポータルによると、「ヒートアイランド現象が見られる都市部に住む人びとは、気候変動の影響を特に受けやすい。地球の温暖化が進むにつれ、都市部のヒートアイランド現象によって気温の上昇はさらに加速する」という。
単なる健康被害にとどまらず、社会・経済・文化的なコストも甚大だ。熱による不快感が高まると労働者の生産性は低下し、気温が28度を超えるとその傾向はさらに強まり、現在ではこうした状態が年の3分の1近くを占めるようになった。また、1000年以上にわたり毎年7月に開催されてきた祇園祭においても、医療処置を必要とする来場者の数は増加している。

大気中の温室効果ガス濃度が上昇し続けていることで、気候変動が起こるからだ。経済先進国である日本は、一国家分を上回る量の二酸化炭素を排出してきた。昨年夏の気温は、過去平均より2.3度高かったが、この傾向は今後も続く見込みだ。
京都はさらに暑くなる一方だ。観光客の増加により新たな建設工事が進み、樹木が減少して暑さはさらに厳しくなり、京都民はさらに辛い思いをしている。京都は庭園が多く緑豊かな自然に囲まれていることで古くから知られるが、緑地が驚くほど不足しており、日陰がほとんどない地域も多く、暑さ対策も不十分だ。
それでも解決策はある。MITは、「都市部におけるヒートアイランド現象の対策で、最もわかりやすく効果的なのは、緑を復活させること。公園の面積を拡大したり、街路樹を植えたり、植物を育むように設計された『グリーンルーフ』を設置したりすることができる」と言う。
東京や大阪、その他の主要都市では、新築住宅には緑がほとんどなく、木や植物の代わりにコンクリートや人工芝が使われている。2024年に発表された東京大学の報告書によると、2012年から2022年では東京の樹木被覆率は20%減少している。その主な理由が住宅地とされ、それにより樹木被覆が40%近くも減少したことが明らかになった。
日本がますます暑くなる中、東京や京都などの都市では緑地の拡大が求められている。涼しく美しい街を守っていこうと3月1日、多様な背景の市民が集まり、「Cool Kyoto」を立ち上げた。古都・京都が持つ自然を愛しむ心を大切にし、住みやすく美しい街づくりを目指す。
「Cool Kyoto」は市民への啓発活動を行うとともに、地域社会における政治的な機運を高め、緑化率を上げ、コンクリートの過剰使用を抑制し、空き地や未活用の土地における生態系の回復を目指している。
今後の取り組みでは、コンクリートの側溝に過ぎない京都の河川を、「哲学の道」をモデルにした緑の小道へと再生する。こうした計画により、京都をより涼しく、気候変動にも耐えうる街にするだけでなく、活気に満ちた美しい街へと変えることができる。観光客が分散され地元経済の強化にもつながるため、魅力ある地域になるだろう。町に緑が戻ってくることで、詩的な感性が呼び覚まされ、京都の四季折々の美しさに対する新たな気づきが生まれる。

京都市内にはこうした取り組みが多く見られる。歩道沿いに木々を増やせば、混雑した電車やバス以外の、より快適で使い勝手の良い交通手段として、徒歩や自転車での移動も好まれるようになるかもしれない。校庭や子どもたちにとっても、休み時間や放課後の活動中に日陰が増えることは利点だ。
世界中で、そして日本においても、各都市は緑地を拡大し、住民を暑さから守るための取り組みを進めている。東北地方で最大都市の仙台は、その先駆的な存在の一つだ。仙台は「緑の都市」を掲げ、ケヤキの並木道や広々とした緑地があることで知られている。京都とは異なり、仙台の街には大きな木々が茂り、街を涼しく保つだけでなく、景観をより美しく彩っている。
京都が「緑の都市」になれないはずはない。とりわけ、環境保全における長い歴史と伝統を持つこの街ならなおさらである。夏が暑くなる一方で、京都は過去を振り返り、より住みやすい都市環境づくりのヒントを得るべきだろう。2026年はさらに記録を更新し、再び日本で最も暑い夏になる可能性が高いと言われている。今こそこの新たな現実に目を向け、私たちの地域社会をより涼しく、より健康的で、より安全な場所にする必要がある。
「Cool Kyoto」について関心のある方は、4月23日(大阪駅近辺)の「Green Drinks Kansai」にご参加ください。詳細は、coolkyoto@proton.me までご連絡ください。
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