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戦火の列から遠ざかる日本メディア なぜウクライナからの報道を避けるのか

戦火の列から遠ざかる日本メディア なぜウクライナからの報道を避けるのか

2月24日のロシアによるウクライナ侵攻以来、日本のメディアは他国と同様に、後れを取らないよう必死に報道している。しかし各国と違うのは、ウクライナの首都キーウ(旧キエフ)やその他主要都市から取材する日本のテレビ局や新聞社の記者が少ないことだ。日本のテレビで現地からレポートするのはフリーランス記者であり、安全な日本のスタジオから8000キロ先で起こっている戦争を分析する専門家の姿ばかりが放映されている。これに対して、AFP通信東京特派員のカリン西村記者が、官邸記者会見で岸田文雄首相に理由を尋ねた。 岸田首相は次のように回答した。「ウクライナは危険な状況であり、日本は目的の如何を問わず、同国への渡航をやめていただきたいとお願いしています。ウクライナにおいては、皆さんもよくご存知のように、いまなお激しい戦闘が各地で続いています。命の危険があります。こうした緊迫した状況でありますので、政府の取り組みについてもぜひご理解とご協力をお願いしたいというのが、この問題に対する政府からの考え方ということですので、ぜひご理解をいただきたいと思います」 このやり取りを聞いて既視感を覚えた人もいるかもしれな
David McNeill
高くつく再生エネ、どうすれば 「まだ見ぬ技術で解決」は空論 労組も「気候正義」や政策提唱を 水素はカーボンニュートラルといえるか

高くつく再生エネ、どうすれば 「まだ見ぬ技術で解決」は空論 労組も「気候正義」や政策提唱を 水素はカーボンニュートラルといえるか

第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26。10月31日開幕、11月13日閉幕)は成果文書「グラスゴー気候合意」を採択したが、形骸化した国際会議という感は否めない。気候変動問題のポイントは何なのか。アンフィルターに執筆し、日ごろこの問題を日本で取材する日比野敏陽記者と大津昭浩記者に対談してもらった。前半より続く。 日比野敏陽 水素自動車の話を展開すると、それは果たしてカーボンニュートラルなのかという疑問を呈したい。水素は豪州など海外から天然ガスをタンカーなどで輸入しなければつくれない。加工して水素にするわけだ。水素生成のためどこからエネルギーを持ってくるのか、最終的にできたものはカーボンニュートラルかもしれないが、工程が非効率ではないかと問いたい。 COPの問題点 大津昭浩 カーボンニュートラルを謳うのがCOPだ。この主張の根拠はコンピューターシミュレーションに基づく予測だが、COPが取り上げている問題と、COPそのものがはらむ問題の2つを分けて考えたい。 2009年のCOP15では、米国のオバマ大統領と中国の温家宝首相が会談し、主導権が中国に移った。以後、COPの温
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COP閉幕後も課題山積 変わる社会構造、迫られる産業界 電気自動車主流の中で日本は

COP閉幕後も課題山積 変わる社会構造、迫られる産業界 電気自動車主流の中で日本は

第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26。10月31日開幕、11月13日閉幕)は成果文書「グラスゴー気候合意」を採択したが、形骸化した国際会議という感は否めない。気候変動問題のポイントは何なのか。アンフィルターに執筆し、日ごろこの問題を日本で取材する日比野敏陽記者と大津昭浩記者に対談してもらった。前半と後半に分けて掲載する。 カーボンニュートラルの意味 日比野敏陽 カーボンニュートラルとは、二酸化炭素(CO2)をはじめ人間の活動で発生する温室効果ガスと、植物が光合成で吸収する量などを相殺してプラスマイナスゼロとなる状態のことをいう。方法としては、化石燃料から再生可能エネルギー(再生エネ)や水素などへの転換、森林を再生させてCO2を吸収する植物を新たに育てる「カーボンオフセット」などがある。これを世界的に進める政策が求められている。 日本も取り組まなければ 日本も取り組まなければならない理由は2つある。第1に、英国や仏に遅れて産業革命が始まったとはいえ、先進国として大量の化石燃料を使ってきた歴史的責任がある。第2に、化石燃料を多く使っている中国やインドと比べても日本の
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生活保護でも路上生活居所を変え続ける負担も〜中高年女性のいま〜

生活保護でも路上生活居所を変え続ける負担も〜中高年女性のいま〜

「渋谷女性ホームレス殺害事件」から1年 <昨年11月、所持金8円とわずかな身の回りの物を抱えた60代女性が渋谷区幡ヶ谷のバス停で殺された。男(40代)が持っていた袋で彼女の頭を殴りつけたのだ。その場で倒れた彼女の死因は外傷性くも膜下出血。無抵抗な路上生活者に「痛い思いをさせればそこからいなくなると思った」という男の身勝手な「排除」の理由が日本社会に衝撃を与えた。 殺された彼女のような路上生活女性は数多くいる。野宿者など社会的弱者の取材を続けるフリージャーナリスト松元ちえがその実態を追った。> ヒロ子さんの話 2020年11月、新型コロナウイルス感染拡大に伴い出勤や外出自粛が推奨されていた。バス停で殺された60代女性は失職して路上生活に追いやられた。横になれないバス停ベンチでかろうじて休息をとっていた彼女は、男にとって「邪魔」という理由でこの世から排除された。彼女が直前までしていた仕事はデパート地下街の試食アルバイトだったと言われている。 私がコロナ禍で出会ったヒロ子さん(仮名、50代)も路上生活を強いられ、直近にした仕事はデパ地
Chie Matsumoto